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「商品」と「作品」の違い

2018年01月09日

いよいよ仕事始めです。本年もよろしくお願い申し上げます。

お正月に感じたこと、目にしたことなど、数回に分けて記していきたいと思います。

先日、車の雑誌を読んでいて、あるジャーナリストのコメントに、「なるほど!!そうだよね」と感じたフレーズがありました。

“トヨタは「商品」を作っていて、マツダは「作品」を作っているイメージが強いです”

うまいことを言うな~と思いましたが、自分なりに分析すると、トヨタは白物家電的で万人受けであり、悪くもないが特別秀でた部分も少ない。車好きでなくとも購入して失敗したと感じる事も少ないであろうし、購入する際に深く調べ上げなくても後悔は少ないであろう。そして販売能力は他の追随を許さず。。。

一方マツダは、ストイックな技術を追求し、デザインにこだわりを持っている。車好きな人は購入すれば、深く調べ上げるだろうから、いざ自分の手元にきたときは感動するだろうし、後から失敗したという感覚は少ないんだろうなぁ。でもそうではない人が、トヨタ車の感覚で調べもせず購入してしまったら、あれあれ?と思う事もあるのかもしれない。販売能力は、トヨタには到底及ばない。

ふと我が業界に当てはめると、

“ハウスメーカーは「商品」を作っていて、工務店や設計事務所は「作品」を創っているイメージが強いです”

となるのだろう
(「作品」と言い切ってしまうと、設計者の自己満足が強く出てしまうかもしれないが、ここでは敢えて、施主と設計者の共同作品と考えて欲しい)

ハウスメーカーの場合、間取りやデザイン、カラーの選択肢も限られるが、何も考えなくとも普通の家ができる。施主が勉強する必要もなく、営業マンに大雑把に「こんな家がいい」と伝えれば、そんな感じの家ができる。そこには秀でた性能も無く、特別個性的なデザインがあるわけでもない。ひとつひとつを迷いながら決めていく楽しみも少ないだろうし、白物家電的で、「みんなが持っているから安心」みたいな感覚なんだろう。
販売力はトヨタのごとし。。。

工務店や設計事務所の場合は、まさにマツダなのかも。ハウスメーカーではなし得ないすぐれた断熱性能や気密性能。耐震性は長期優良住宅化する事によってきちんと担保され、デザインも千差万別。楽しみながらひとつひとつを決めていかなければならない。手間も時間もかかる。施主はそれなりに勉強をしなければ、工務店や設計事務所の担当の話が理解しづらいかもしれない。でもオンリーワンで最先端の住まいができる。販売力は全く無い。強力な販売力を持つ気もないが。。。

キクザワは当然、後者をめざし、お客様とスタッフ一同、共に一棟一棟楽しみながら大切に家創りを進めていきたいと考えています。